本記事では、Hughes & Kettner Tubemeister 18 に複数の真空管(12AX7)を差し替えた際の音の違いを、音源と画像を交えてご紹介しています。
あくまで簡易的な比較であり、使用環境や録音条件によって感じ方には個人差がありますが、
「管を替えると音は変わる」ことを少しでも感じていただけたら嬉しいです。
雰囲気やキャラクターの違いを、ぜひ音とスペクトル画像と合わせてご覧ください。
12AX7音質比較スペクトログラム解説(全6種)
使用機材・録音環境
- ギター:ESP FOREST-GT(2007年製)
- ピックアップ:Seymour Duncan AHB-1(Blackouts)
- アンプ:Hughes & Kettner Tubemeister 18 Head(LEADチャンネル使用)
- 録音方法:REDBOXラインアウト → DAW
- 音源分析:Python+SciPyによるスペクトログラム生成
① 多分純正?(ファイル名:1Tubemeister 18 もしかして純正?)

- 特徴:やや滑らかでマイルド。倍音は広がるが鋭さは控えめ。
- 推測される傾向:出荷時に搭載されている無銘・選別なしの中国製12AX7WBか。
- 用途の適性:ジャズ〜ブルースなど中低域を重視するプレイ向き。
② RT080 + Marshall純正(ファイル名:2Tubemeister 18 RT080とMarshall)

- 特徴:中域にピークがあり、音の輪郭が引き締まっている。
- 感触:Marshall特有の「カリッとした」音を補助する感じで、抜けが良い。
- 用途の適性:リフ主体のロック〜ハードロック向け。
③ RT080 + RT001(ファイル名:3Tubemeister 18 RT080とRT001)

- 特徴:やや明るく、帯域バランスが整っている。高域は暴れない。
- 傾向:上品なコンプ感とナチュラルな高域が混在。
- 用途の適性:クリーン〜クランチまで守備範囲広め。
④ RT080 + RT008(ファイル名:4Tubemeister 18 RT080とRT008)

- 特徴:中高域のレンジが広く、クリアでエッジが立っている。
- 傾向:モダンでハイファイ寄りなサウンド。
- 用途の適性:メタル〜ポストロックなど空間系と相性良好。
⑤ RT080 + GT-ECC83S(JJ)(ファイル名:5Tubemeister 18 RT080とGT-ECC83S)

- 特徴:ローに厚みがあり、やや「こもる」印象もあるが音像が安定。
- 傾向:歪ませた際に丸くなりやすい。中域に癖あり。
- 用途の適性:リードトーンの滑らかさ重視のプレイヤーに。
⑥ Svetlana(ファイル名:6Tubemeister 18 Svetlana)

- 特徴:ざらつきのある倍音。高域がきらびやかというより粗い。
- 傾向:レンジは広くないが、キャラクターの強さがある。
- 用途の適性:ヴィンテージ系やブルージーな音作りに最適。
と言う具合になります。
印象としてはRT080はコンプ感もゲインもレスポンスも良いので初段には良いと思うのです。
RT001を二段目にするとその伸びを加える感じになり弾きやすいです。
RT080とRT008はコンプ感がさらに強く出る印象なのとちょっとサスティーンが足りなくJCM2000を使う感覚を知ってる方には良いかと思うのです。
勝手な印象なTAD ECC83-Czを想定したGT ECC83は太く立体感がありこれも捨てがたい。
Svetlana 12AX7 Cロゴは最初に付いてくる菅よりはクリアーなのですがちょっとこもって聞こえます。
TAD RT001二本でも実は良いのかもと思うのです。
今回ヴィンテージサウンド様からノーマルセレクトで一本買って試して見ました。
非常に楽しい結果が自分では味わえたので満足でした。




補足
本文で使用した RT080(7025 WA TAD Highgrade) や Marshall Gold Logo バルブ(VLVE-00049 / Shuguang 12AX7B) は、現在は入手不可能となっています。
現在流通している真空管としては以下が代表的です:
- JJ ECC83 / 12AX7
- Sovtek 12AX7 系列
- Electro-Harmonix 12AX7
みなさんの環境ではどの組み合わせが好みでしたか?
真空管1本でここまで音が変わるのか、という驚きと面白さを感じていただけたなら、ぜひコメントやSNSで教えてください。
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