ギターサウンドを決定づける要素は数多くありますが、その中でも見逃せないのがアンプのパワー管。
同じフレーズでも、パワー管の種類によってニュアンスや音の抜け方が大きく変わってきます。
今回は王道ハムバッカー Seymour Duncan JB を基準に、
TAD EL84M / JJ EL84 / Electro-Harmonix EL84 の3種類を入れ替えて、
その違いを実際のサウンドとアナライザーで比較レビューしてみました!
使用機材と条件
- ピックアップ:Seymour Duncan TB-4 JB(ブリッジ)
- ギター:ESP FOREST-GT(2007年製)
- アンプ:Hughes & Kettner GrandMeister Deluxe 40(LEEDチャンネル)
- 録音方法:ライン録音(REDBOX使用)
- TAD EL84M(セレクト)
- JJ EL84(スロバキア製)
- Electro-Harmonix EL84(ロシア製)
となっております🎵
本比較テストでは、アンプの設定を以下の通りすべて統一しました。
これにより、音の違いは真空管そのもののキャラクターによるものです。
- Master Volume:8時〜9時
- Resonance:12時(5)
- Presence:12時(5)
- Treble:12時(5)
- Middle:12時(5)
- Bass:12時(5)
- Volume:12時(5)
- Gain:12時(5)
- Boost:ON
🔍 サウンド比較レビュー
① TAD EL84M(旧ソ連)


・低域(〜200Hz):タイトで引き締まり、ダブつきが少ない。リフや刻みで輪郭が立ちやすい。
・中域(200Hz〜2kHz):やや控えめ。曇りがなくクリアに抜けるので、モダン寄りの印象。
・高域(2kHz〜6kHz):倍音が長く伸び、アタックの立ち上がりがシャープ。
・超高音(6kHz〜12kHz以上):しっかり残って透明感をプラス。切れ味を強調。
👉 全体印象:冷たい透明感と硬質さ。メタルや速弾きにマッチ。
② JJ EL84(スロバキア)


・低域(〜200Hz):エネルギー濃く、200Hz付近に膨らみ。リフに重量感を与える。
・中域(200Hz〜2kHz):厚みは出るが、やや曇り気味で分離は甘い。
・高域(2kHz〜6kHz):アタックが早めに減衰。抜けは弱いが柔らかい響き。
・超高音(6kHz〜12kHz以上):伸びは控えめ。煌びやかさは少ないが耳に優しい。
👉 全体印象:暖かくオールド感あり。クランチや歌伴に心地よい。
③ Electro-Harmonix EL84(ロシア)


・低域(〜200Hz):太めだが濃すぎず、扱いやすい。
・中域(200Hz〜2kHz):均一にエネルギーが広がり、クセが少ない。
・高域(2kHz〜6kHz):華やかで広がり感があり、煌びやかさをプラス。
・超高音(6kHz〜12kHz以上):柔らかく広がる倍音で、空気感を補う。
👉 全体印象:ニュートラルで万能。ジャンルを選ばず安定した音。
サンプルサウンド
まとめ後書
今回の比較では、Seymour Duncan JBと3種類のEL84パワー管を同一条件で鳴らし、音の違いを耳とアナライザーで丁寧に検証しました。
TADの立ち上がり、JJの暖かさ、EHのバランスの良さ──
それぞれの個性がサウンドにもグラフにも表れました。
測定・録音はすべて自前で行い、リンクには一部プロモーションを含みますが、内容には一切影響しません。
なお、本検証は筆者が心房細動という体調の中で行いました。
音に込めた真剣さが、少しでも届いていれば幸いです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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